キーボードを買い替えた話
机の上のケーブルを減らしたいなぁと思っていたときに、ThinkPad TrackPoint Keyboard IIを安く放出する話が出てきたので二つ返事で買いました。
TTKⅡは独自レシーバとBluetooth、USB Type-Cでの接続に対応し、独自レシーバとBluetoothの切り替えも簡単にできます。
2台のPCをそれぞれ別々の接続方式で繋ぐことで、1つのTTKⅡで2台のPCを操作可能なのでとても便利です。
無線キーボードのデメリットと言えば
キーボードに限らずマウスでも言われることですが、無線には無線のデメリットがありますね。
- 入力遅延がある
- 電波の混線
- 電池切れの可能性
よく言われるデメリットはこんなところでしょうか。
入力遅延に関しては、よっぽど酷いモノでない限り分からないので気にすることもないでしょう。
「いまの攻撃は絶対に遅延のせいで回避できなかった!!」って叫ぶ人は…うん。
混線も環境によるのであまり考えても仕方なさそう。
となると、私にとっての無線キーボードのデメリットは、バッテリー問題ということになります。
TTKⅡはバッテリーを内蔵し、USB Type-Cによって充電するため、バッテリーが減少した場合に備えて充電ケーブルを用意しなければなりません。
バッテリー残量が低下した場合はLEDが黄色で3回点滅しますが、常にLEDを見ているわけではないのでよく見逃します。
万が一使用中にバッテリーがなくなった場合には、充電しながら使用しなければなりません。
結局有線接続が必要では、無線デバイスの成り損ないのような存在になってしまいます。
給電方法を模索する
無線デバイスに対する電池切れ対策として、Logicool G PowerPlay Wireless Charging Systemがあります。
マウスパッドにワイヤレス給電システムを内蔵することで、対応したマウスではマウスパッドの上に置いておくだけでワイヤレス充電が可能になるというモノ。
置いておけば充電されるので、バッテリー残量を心配する必要がありませんね。
ですがこれにも個人的に微妙なポイントがありまして。
- 値段が高い
- 独自の給電規格
- ケーブルが机の上に出る
- 対応マウスが限られている
- キーボードには対応していない
まず、PowerPlayは公式で税込み19,470円、この記事を書いている時点でAmazonでは17,145円と、決して安いモノではありません。
この給電システムはLogicoolの独自規格であり、他のワイヤレス給電とは互換性がありません。
また、PowerPlay自体への給電には当然ケーブルが必要となるため、机の上からケーブルをなくすことはできません。
そして、PowerPlay対応のマウスはこの記事を書いている時点でPRO X、G903、G703、G502の4種類のみ。
BluetoothもしくはLIGHTSPEEDワイヤレスに対応するLogicoolの無線マウスは8種類ありますので、自分の好みの無線マウスが必ずしもPowerPlayに対応しているとは限りません。
そもそもキーボードには一切対応していないため、マウスをPowerPlayによる給電にしてもキーボードはどうしようにもありません。
ジェネリックPowerPlay
Lenovo製のTTKⅡは当然PowerPlayには対応していないため、PowerPlay相当の給電システムをTTKⅡに組み合わせることを考えました。
一般的に普及しているワイヤレス給電といえば、スマートフォンなどに搭載されているQi充電があります。そして、Qi充電非対応のスマートフォンをQi充電に対応させるためのレシーバーシートも売られています。これをTTKⅡのType-Cコネクタに接続しておくことで、TTKⅡがQi充電対応のキーボードになります。
今回はNillkin Magic tags wireless charging receiverを購入しました。もっと安いレシーバーシートもありますが、電源に関わる部分でケチっても怖いだけですし、給電性能や範囲が狭まっては悲しいのでそれなりの価格帯にしました。スマートフォン向けの他にもiPad向けなどもありますので、キーボードの背面面積に合わせてできるだけ大きいものを選ぶといいのではないでしょうか。
問題は給電する側です。キーボードの足を立てて机との間に隙間を作ったとしても、通常のQi充電器は入らないでしょう。そもそもQi充電器に接続する給電ケーブルが机の上に存在してしまっては、無線のスッキリ感がなくなってしまうので駄目ですね。机の上に充電器を置く場所がないのであれば、机の裏側から給電できる充電器を用意すればいいわけです。
机越しにQi充電を行う、そんな便利アイテムありましたね。クラウドファンディングをしていたdeskHackです。ちょうど2021年の福袋でdeskHackが謎ガジェットと一緒に5000円となっていましたので、購入しました。
取り付け
キーボード背面のどのあたりにレシーバーが存在しているか、それが机上のどの位置になるのかをしっかりと確認しましょう。
レシーバーの位置を確認したら、その下にdeskHackが存在するように調節します。
普段キーボードを置かない場所にdeskHackを設置してしまうと、充電のために毎回キーボードを充電位置に移動する必要が出てきますので。
deskHackには、取り付け位置を決めるための道具が付属していますので、レシーバーとの位置は合わせやすいと思います。
が、私はその道具を使うのがめんどくさかったので適当に取り付けました。
Q.使えるの?
A. 使えます
木製の机が厚さ23mmで、キーボードまでカバーするマウスパッドを使用し、キーボードの足は立てて使っています。
そのためdeskHackからは38mm前後離れていますが、充電自体はなんら問題なくできています。
いままでは何度か電池切れになっていたこともありましたが、deskHack導入後は一度も電池切れになっていません。
ただし、deskHack自体にいくつか不満があります。
- 充電範囲が狭い
- うるさい
- 独自ACアダプタ
まず、deskhackに対して垂直方向の範囲は広いですが、水平方向の範囲は広くありません。
使っているうちに給電可能な位置関係が勘でわかるようになりますが、最初のうちは位置合わせのために何度もキーボードを動かしていました。
キーボードまでカバーするような大きなマウスパッドを使っていると、余計に充電位置がわかりにくいですね。
deskHackはその性能による発熱のためにファンが搭載されています。
このファンが割とうるさいです。PCの動作音かと思ったらdeskHackの動作音だった
deskHackは独自のACアダプタによってMicroUSBから給電します。
充電周りをすっきりさせるためのモノを使うために、コンセントにでかいACアダプタを刺さなければならないのは少し残念です。
USB PDからの給電に対応していれば、複数のポートを持つスマホ用のUSB PD充電器が使えたのですが…
最後に
給電のためにケーブルを必要としないだけでも随分と快適になりますね。MicroUSBやUSB Type-Cなど、レシーバーシートが対応している端子による充電が可能であれば大抵のキーボードでこの方法が使えると思いますので、キーボードの選択肢を大きく狭めることはないのではないでしょうか。(乾電池タイプは無理ですが…)
背面にセンサーがついているマウスではこの方法が使えないのが残念ですね。
トラックボール式マウスであれば問題なく使えるかもしれませんが。
スマホ充電用のdeskHackですが、組み合わせ次第で他のデバイスにも使えるのは本当に便利です。キーボード以外にも給電先を探してみるのも面白そうですね。いくつか欠点もありますが、次世代版(出るのか…?)に期待しましょう。